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遊牧民の暮らしとギャッベの関係

遊牧生活の中で女性がギャッベを織る様子

ギャッベとは、イラン南西部のカシュガイ族が伝統的に織ってきた毛足の長い手織り絨毯です。彼らは春と秋の年2回、テントを畳んで山岳高原と平野を往復する大移動を行い、羊やヤギと共に暮らす遊牧生活を送っています。移動の最中、男性たちが家畜の世話に奔走する一方で、女性たちはテント内で羊毛の糸を紡ぎながら絨毯を織り進めていきます。遊牧民にとってギャッベは、砂漠や山岳地帯など過酷な自然環境に適応するための必需品であり、テントの床に敷いて地面の冷えや暑さを和らげる生活道具でもあります。

天然素材と制作工程

遊牧民は家畜の羊から良質な毛を刈り取り、自ら手で紡いで丈夫な毛糸を作ります。染色も身近な草木や土など天然素材で行われ、茜の根・クルミの殻・ウコン・ザクロの皮・藍などから赤や茶、黄、橙、青、緑といった色糸を生み出します。これらの自然由来の染料で染められた羊毛糸は発色が美しく、使うほどに色に深みが増していきます。織りには地面に設置できる水平型の簡易織機を用い、移動先で組み立てて作業できるため遊牧生活に適しています。こうした工程は家族ぐるみの共同作業で、羊の放牧や毛刈りを担う男性と、糸紡ぎ・染色・織りを担当する女性たちが役割分担し、一枚の絨毯を作り上げます。

自然が映し出されたデザイン

ギャッベのデザインは自由で、下絵を用意せずに織り手の女性がその時々に思い浮かぶ模様を直接織り込みます。まるで絵を描くように一目一目を結んでいき、見た風景や動物、日々の暮らしの情景がそのまま文様となるため、世界に一つだけの素朴であたたかみのある柄が生まれます。緑の糸は草原、赤は夕日や花々をイメージするなど色にも自然環境が反映され、羊・ヤギ・鹿など家畜や野生動物、草花や人間の姿がモチーフとして登場します。