シェイク・サフィのデザインは、花のような豪華で大きなメダリオンを中心に、上下に釣りランプを配置し、コーナーにメダリオンを4分割した文様を施しており、これを「シェフ・サフィ・デザイン」と呼んでいます。サファヴィー王朝の祖、シェフ・サフィアルディンは1334年、85歳で亡くなり、彼の廟はカスピ海西岸のアルデビルに建立されました。
17世紀、シャー・アッパス1世として知られる名君は、1610年代にアルデビルを訪れ、荒れ果てたシェフ・サフィの廟を修復しました。彼はコーラン、絨毯、中国の磁器などの貴重な私財をこの廟に献納しました。このような献納行為は「パグフ」として知られ、宗教的な善行として認識されています。
シェイク・サフィの時代に作られたペルシャ絨毯の中で、特に注目されるものがアルバート美術館(イギリス)に所蔵されているアルダビールカーペットです。この絨毯は1539年にアルダビールのシェイク・サフィ・アッディン・コンプレックスに贈られ、ペルシャ絨毯を代表するものとなりました。デザインにはシャー・アバシ植物や神聖さを象徴する濃紺色、ベルガモットの太陽光を象徴するデザインが特徴です。この絨毯は、16世紀半ばにシャー・タフマースプによってアルダビール神殿のために委託され、サファヴィー時代の豊かな文化と精神的遺産を反映しています。