このサイトはお使いのブラウザに対して限定的なサポートしか提供していません。Edge、Chrome、Safari、またはFirefoxに切り替えることをお勧めします。

10,000円以上のご購入で送料無料

カート 0

申し訳ございません、こちらの商品の在庫が不足しています。

ペア商品
小計 無料
表示価格は税込みです。送料や割引は購入手続き時に計算されます。

カートに商品は入っていません。

世界最古の絨毯「パジリク絨毯」とペルシャ絨毯の関係

世界最古のパイル織り絨毯とされるパジリク絨毯は、古代の高度な織物文化を現代に伝える貴重な遺産です。永久凍土という特殊な環境によって保存されたこの絨毯は、紀元前の技術水準や国際交流を知る重要な手がかりとなっています。本記事では、パジリク絨毯の発見背景から技法、デザイン、歴史的意義までを整理してご紹介します。

パジリク絨毯の発見と保存状態

パジリク絨毯は1949年、シベリア南部アルタイ山脈に位置するパジリク古墳群から出土しました。墓室内部が永久凍土によって凍結していたため、通常であれば失われてしまう有機素材が腐敗を免れ、当時の鮮やかな色彩や緻密な模様がほぼ完全な状態で残されていました。

絨毯の大きさは約2メートル四方とされ、現在はロシアのエルミタージュ美術館に収蔵されています。この保存状態の良さが、古代絨毯研究を大きく前進させることになりました。

 

素材と織り技法の特徴

素材には上質な羊毛が用いられ、染色には赤や藍色を中心とした天然染料が使用されています。織り方はパイル織りで、結び目を一つ一つ織り込む技法が採用されています。

特筆すべきは左右対称の二重結び、いわゆるトルコ結びが用いられている点です。結び目の密度は1平方センチあたり約36個に達し、総ノット数は100万以上と推定されています。紀元前5世紀という時代を考えると、非常に高度で精巧な技術水準であったことが分かります。

 

図柄構成と製作地の考察

パジリク絨毯の図柄は、中央に反復文様を配し、その周囲を複数のボーダーで囲む構成となっています。この形式は後世のペルシャ絨毯にも共通する、伝統的なデザインです。

描かれている動物や騎馬のモチーフは古代ペルシャ美術と共通点が多く、特に外縁部の騎馬像はペルセポリス宮殿の浮彫を想起させます。このため、当初はアケメネス朝ペルシャで製作された可能性が指摘されました。

さらに同じ古墳からはエジプト製の宝飾品や中国の青銅鏡も出土しており、紀元前5世紀にはすでに東西交易路を通じた文化交流が行われていたことがうかがえます。

 

絨毯史におけるパジリク絨毯の意義

パジリク絨毯は、紀元前5世紀の段階で既に高度な絨毯文化が存在していたことを示す決定的な証拠です。この技術と美意識は、その後中東や中央アジアへと受け継がれていきました。

特にペルシャでは、16〜17世紀のサファヴィー朝時代に絨毯芸術が最盛期を迎えます。パジリク絨毯は、そうした後世の名作へと連なる長い絨毯史の起点として、非常に重要な位置を占めています。