ギャッベ偽物と本物の見分け方|織り・素材・来歴が決め手
ギャッベを購入する際に最も大切なのは、本物と偽物を見分ける力です。結論から言えば、織りの構造・素材の質・来歴の三点を確認すれば、多くの偽物を見抜けます。ギャッベはイラン南西部の遊牧民が一目ずつ結んで織り上げる厚手の手織り絨毯であり、工業製品や他国製の模造品とは本質的に異なります。
偽物が出回る理由
ギャッベの人気が高まるにつれ、機械織りの絨毯やインド・中国製の類似品が「ギャッベ」として販売される事例が増えています。名称の一般化が誤認を招き、産地や素材の表示が不十分な商品も少なくありません。特に、大量生産品を「一点物」として訴求する販売手法や、極端な値引きで消費者を惹きつけるケースは注意が必要です。
本物の見分けポイント
本物のギャッベは裏面の結び目が不規則で、一本一本に職人の個性が表れます。縁かがりやフリンジは本体と一体で織り込まれており、接着や縫い付けの跡がありません。素材には手紡ぎの羊毛が用いられ、天然の油分によるしなやかさと温かみのある手触りが特徴です。染料は植物や鉱物由来の天然染料が多く、人工染料に比べて深みがあり、年月とともに穏やかに退色します。また、完全な左右対称ではなく、わずかな歪みやサイズ誤差が本物の証ともいえます。
購入時の注意点
購入する際には、原産国(イラン)と素材、染料の種類、制作地域や制作年についての説明を確認することが重要です。クリーニング・修理の対応体制があるかどうかも、信頼できるかを判断する基準になります。価格の妥当性は、サイズ・結び密度・素材など複数の要素で判断する必要があります。事前に【ギャッベの値段と相場完全ガイド】を参考にしておくと安心です。
信頼できる販売店の条件
本物を安心して購入するためには、販売店の信頼性も重要です。現地での仕入れ経路や買付の記録を提示できる店舗は信頼性が高いといえます。また、一点ごとに裏面を含む高解像度写真や重量・密度の実測値を明示しているかを確認しましょう。購入後もクリーニングや修理などを提供しているかどうかも、長期的に満足できるかを左右する要素です。
ギャッベは世界にひとつしかない芸術的な手織り絨毯です。本物と偽物の違いを理解することで、長く愛用できる一枚と出会えます。