ウール絨毯(ウールラグ)は、羊毛を素材とする絨毯です。羊毛は高品質な手織り絨毯にも多く用いられる天然素材で、優れた耐久性と快適な肌ざわりを備えています。
ウールは天然の動物繊維であり、保温性と調湿性に優れています。繊維に縮れ(クリンプ)があるため空気を含みやすく、熱を逃しにくい特性があります。そのため冬は床からの冷えを防ぎ、夏でも湿気を吸放出するため、さらりと快適な状態を保ちます。また、弾力性が高く、長時間踏まれてもへたりにくく、静電気が起きにくいためホコリや汚れも付きにくい素材です。
化学繊維(ナイロンやポリプロピレンなど)製のラグに比べ、ウール絨毯は燃え広がりにくく、安全性に優れています。また、綿素材のラグと比べても、ウールは繊維が強く弾力があるため、踏んだ跡が残りにくく、耐久性にも優れています。さらに、ウールには天然の油分であるラノリンが含まれており、水をはじいて汚れが付きにくいという特長があります。
このようにウール絨毯は、耐久性や断熱性、調湿性、肌ざわりの良さなど、さまざまな面で優れており、敷くだけで上品な風合いと快適さを暮らしにもたらします。
ただし、天然素材ゆえに、化学繊維製のラグに比べ価格が高めであり、購入直後には羊毛特有のにおいが気になる場合もあります。においは時間とともに薄れ、風通しの良い場所で陰干しすれば早く軽減されます。また、新品のウールラグでは遊び毛(細かな毛羽)が出ることがありますが、使用するうちに徐々に収まります。なお、水に濡れると非常に重くなるため、家庭での丸洗いには適していませんが、日常的には掃除機がけで清潔を保つことができます。