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ギャッベの歴史完全解説|遊牧の実用品から世界のアートラグへ

ギャッベは遊牧民の生活道具から始まり、近代に芸術性と国際性を獲得しました。

ギャッベとは、イラン南西部で織られる厚手の手結び絨毯です。

「手結び」とは、一本ずつ結び目を作る伝統技法のことを指します。

遊牧民とは、季節ごとに家畜と共に移動する牧畜民のことです。


紀元前の起源

羊毛を使った敷物文化は、紀元前から西アジア全域で発達していました。

現存する最古のパイル絨毯は、紀元前5世紀に織られた「パジリク絨毯」です。

ギャッベそのものの証拠は後世に現れますが、厚手で持ち運びやすい敷物という点で同じ系譜に位置付けられます。

ザグロス山脈一帯の人々は、移動生活を前提とするため、耐久性のある織物を必要としました。

これがギャッベの源流と考えられています。


ペルシャ時代の発展

16世紀のサファヴィー朝時代には、宮廷工房による都市部の高級絨毯が隆盛しました。

一方、ファールス地方のカシュガイ族やルリ族は、素朴で毛足の長い厚手の敷物を家庭用に織り続けました。

「ギャッベ」という言葉は、ペルシャ語で「粗い」「ざっくりした」という意味を持ちます。

文様には「生命の木」「鹿」「魚」などが登場し、家族の繁栄や健康を願う象徴として織り込まれました。

また、藍やザクロなどの自然素材を使った草木染め(植物由来の染色技法)が特徴です。


現代までの変遷

20世紀後半、遊牧民の定住化や化学染料の普及により、伝統的なギャッベは一時的に衰退しました。

しかし1990年代以降、自然染料の復興や品質管理の徹底によって再び国際市場で注目されます。

特に日本やヨーロッパでは、素朴で温かみのあるデザインが高く評価されました。

現在のギャッベは、従来の厚みを活かした素朴さと、高密度で洗練された仕上げの両面を持ちます。

また、産地証明やフェアトレードの導入により、信頼性の高いブランド価値を確立しています。


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