トライバルラグ
種類:部族の絨毯
場所:イラン、トルコ、アフガニスタンなどの地域
ノット密度:1平方メートルあたり70,000 - 350,000ノット
特徴:それぞれの文化や自然環境に深く根ざしており、デザイン、色、モチーフには部族ごとの特徴が表れています。
トライバルラグの概要
トライバルラグは、遊牧民や小さな部族コミュニティによって作られた絨毯です。各部族には独自の織りのスタイルと伝統があります。これらの絨毯は、それぞれの文化と自然環境に深く根ざしており、デザイン、色彩、モチーフに部族特有の特徴が現れます。
バクティアリ
バクティアリ族の絨毯は、色彩豊かで複雑なデザインが特徴です。主にイラン南西部のザグロス山脈地域で作られ、幾何学模様や動物の図柄がよく使われます。織り手たちは、ウールを使ってしっかりとした結び目を作り、長持ちする絨毯を織り上げます。パイルが高く、歩行時に豪華な感触を提供するのも特徴です。
バルーチ
バルーチの絨毯は、小型で濃紺や深紅などの暗い色を基調とし、白やオレンジでアクセントを加えたデザインが特徴です。幾何学模様や生命の木、ラクダなどのモチーフがよく用いられます。これらの絨毯は人気があり、製作プロセスでは家族全員が関わることが多いです。
カシュガイ
カシュガイの絨毯は、鮮やかな深みのある色彩と大胆なデザインで知られています。これらの絨毯は耐久性があり、柔らかな手触りを持ちます。ガシュガイ部族は、イラン南西部の遊牧民であり、そのデザインは生活と自然環境に根ざしています。
トルクメン
トルクメンの絨毯は、大胆な赤や茶色で作られた幾何学的なパターンが特徴で、八角形のギュルモチーフがよく使われます。これらの絨毯は、シングルノットやダブルノット織り技法を使用しており、伝統的なスタイルが現代でも受け継がれています。
アフシャール
アフシャールの絨毯は、豊かな文化的シンボルを表す幾何学模様が特徴で、明るい色彩がよく使われます。これらの絨毯はさまざまなサイズや形状があり、高品質な素材が使用されているため、長持ちする芸術作品となります。
シーラーズ
シーラーズの絨毯は、隣接する地域の影響を受けた多様なデザインが特徴です。幾何学的なデザインやポールメダリオン、層状のボーダーが使われ、作品の年代によって色が異なります。ウールや綿を基盤とし、緩いパイルが特徴です。
ギャッベ
ギャッベは、シンプルなデザインと明るい色彩が特徴です。これらの絨毯は厚く、パイルの長さが最大2.5cmに達することもあります。使用される染料は自然由来であり、環境に優しい絨毯です。
ブハラ
ブハラは、ウズベキスタンのブハラ市で生まれた手織り絨毯で、八角形のモチーフが特徴です。このデザインはトルクメニスタンのテケ族の絨毯の影響を受けており、深い赤色や「ギュル」モチーフが共通しています。ブハラは絨毯生産の中心地ではありませんが、商業都市としての地位を確立し、その絨毯は西洋にも広まりました。
マシュワニ
マシュワニは、パキスタンとアフガニスタンに定住する部族で、マシュワニ・ラグはその特徴的な絨毯です。幾何学的なデザインが特徴で、パイル織りと平織りが組み合わさり、凹凸のある立体感が生まれます。デザインには空白がほとんどなく、菱形のモチーフが広がっています。マシュワニ絨毯は何世紀も前から織られており、もともとは結婚式の持参品として使われていました。