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絨毯辞典

手織りオリエンタル絨毯の産地・種類・技法・文様をまとめた用語集です。
SATHIではイラン(旧ペルシャ)・パキスタン・アフガニスタンを中心に、トルコ・モロッコの手織り絨毯もお取り扱いしています。

絨毯の種類と産地

同じ「手織り絨毯」でも、国・産地ごとに織り・色・文様の個性は大きく異なります。気になる種類や産地から、詳しい解説ページへどうぞ。

ペルシャ絨毯イラン(旧ペルシャ)。産地ごとに織り・色・文様の個性が際立つ、手織り絨毯の本流です。詳しく見るパキスタン絨毯ラホールを中心に、ペルシャの意匠を受け継いだ精緻な柄と艶やかな発色が魅力です。詳しく見るアフガニスタン絨毯濃い赤地に八角形のギュル文様が代表格。トルクメンやウズベクの人々が織り継ぐ、重厚で多彩な織物です。詳しく見るギャッベ遊牧の伝統から生まれた、手結びの厚手ウール絨毯。素朴な動植物の文様とふっくらした毛足が特徴です。詳しく見るキリム毛足のない平織りの織物。緯糸と経糸で色面の幾何文様を表す、軽やかな敷物です。詳しく見る

産地ガイド — 世界の手織り絨毯

産地ごとの織り・色・文様の個性を、グループ別にまとめました。気になる産地から詳しい解説ページへどうぞ。

そのほかの種類

毛足のあるパイル絨毯(ギャッベなど)と、毛足のない平織りのキリムが大きな2分類です。

トルコ絨毯(ヘレケ)

トルコ結び(ギョルデス結び)で織られる、幾何文様や花文様の手織り絨毯です。なかでもイスタンブール近郊のヘレケは、オスマン宮廷の工房に由来する細密な織りで名高い産地です。トルコ絨毯の商品一覧もご覧ください。

モロッコ絨毯(ベニワレン/アジラル)

アトラス山脈一帯に暮らすベルベル(アマジグ)の人々が織る、厚手でふっくらとした手織り絨毯です。無染色のナチュラルウールに黒や焦げ茶の素朴なラインを描くベニワレン、自由なモチーフを色糸で織り込むアジラルが代表格です。モロッコ絨毯の商品一覧へ。

カシミールシルク

インド北部とパキスタン北東部にまたがるカシミール地方で織られる、シルクの手織り絨毯です。ヴィンテージライクな色調としなやかな風合いに仕上がるのが持ち味です。

バルーチ

アフガニスタン西部からイラン東部にかけて暮らすバルーチ族による手織り絨毯です。濃紺やえんじの渋い色調を基調に、幾何文様のほか風景や人物を描いた絵画のような一枚もあり、トライバルラグらしい個性が魅力です。国境をまたいで暮らす民族のため、個々の生産国は商品ページの表記をご確認ください。

技法ガイド — 結び・密度・素材・染め

一枚のペルシャ絨毯は、結びの種類・織りの密度・素材・染めの掛け合わせで表情が決まります。商品ページの言葉をより深く味わうための基礎用語をまとめました。

ペルシャ結び(非対称結び)

二本の経糸のうち一本にパイル糸を巻き付け、もう一本の下をくぐらせる結び方で、セネ結びとも呼ばれます。曲線をなめらかに描けるため、花やメダリオンの優雅な図柄を得意とします。イスファハンクム(Qum)など、繊細な意匠の産地に多く見られます。

トルコ結び(対称結び)

二本の経糸にまたいで結ぶ方法で、ギョルデス結びとも呼ばれます。きりりと締まり、直線的な幾何学模様と相性が良いのが特徴です。タブリーズ以西やコーカサス圏の意匠に多く用いられます。

ノット密度(ラジ/ヘフト)

一定の幅に結び目がどれだけ並ぶかを示す指標で、数値が大きいほど目が細かくなります。ラジはタブリーズで使われ、7cm幅に並ぶノット列数を数えます。イスファハンではヘフトという単位を使い、絨毯裏側の房(フリンジ)と毛足の間に等間隔で入る色違いの縦糸(目印の線)を数えて、織りの細かさを表します。一般に1mあたりおおむね7〜16ヘフトの範囲で、数が多いほど高密度です。ラジもヘフトも産地ごとの商慣行に基づく単位で、統一された公的規格ではありません。密度は都市工房の精緻さを語る目安で、部族・ビレッジのトライバル絨毯は密度ではなく意匠・色・素材で価値を見ます。

素材(ウール/シルク/コットン経糸)

ウールは呼吸して湿気を調え、踏んでも戻る弾力と深い発色を持つ主役の素材です。シルク(絹)は光を受けてやわらかに輝き、しなやかな手触りと繊細な光沢が魅力。デリケートな素材のため、直射日光を避けてお使いいただくと美しさが長持ちします。都市工房の絨毯では、土台となるコットン(綿)の経糸が寸法を安定させ、形を長く保ちます。ギャッベや部族の絨毯では経糸もウールのことが多く、ふっくらした風合いにつながります。

シルクタッチ(絹のような光沢のウール)

シルクタッチはウールの一種です。ウールを丁寧に処理・ブラッシングして、絹のような光沢と柔らかく厚いパイルを引き出したもので、絹(シルク)ではありません。パキスタン絨毯のジャルダールなどで見られる、しっとりと艶めくウールの質感を指します。

グレード「ファイン」

織りが特に細かく、仕立ての精度が高い一枚を指す、絨毯流通で使われるグレード呼称です。

天然染料

赤は茜やコチニール、黄は飛燕草などの植物、青は藍を何度も染め重ねて生み出します。精錬・染色・洗いを重ねる時間のかかる仕事で、工程によっては染めだけで一週間以上かかることもあります。天然由来の色は深みがあり、暮らしのなかで使い込むほど足もとに色が馴染んでいきます。

アブラッシュ

手織り絨毯の地色に現れる、帯状のゆるやかな色の濃淡のことです。手紡ぎの糸や小分けに染めた糸を使うために生まれる自然な変化で、不具合ではなく手仕事ならではの表情として親しまれています。なお、アブラッシュがあること自体は天然染料の証明ではありません。

フリンジ(房)

絨毯の両端に出る経糸(縦糸)の房のことです。パイルや平織りの部分の先で、土台となる経糸がそのまま現れたもので、ほつれを防ぐために束ねたり結んだりして整えます。手織りでは土台の経糸がそのまま房になり、左右の短辺に対称に現れます(長辺の縁は「耳(ミミ)」と呼ぶ別の部分です)。

銘(サイン)

イスファハンクム(Qum)などの工房絨毯には、工房名や作家名が絨毯の端に文字で織り込まれていることがあり、これを銘(サイン)と呼びます。当店の商品名にある「◯◯工房」は、こうした銘と仕入れ時の情報に基づいて表記しています。銘のある絨毯は、店頭で実物をご確認いただけます。

ペルシャ絨毯の文様辞典

ペルシャ絨毯に織り込まれる代表的な文様を、形と意味の両面からやさしく解説します。一枚を選ぶとき、構図やモチーフの名前を知っておくと見方がぐっと広がります。

メダリオン

絨毯の中央に大きな円形や楕円形を据える、最も親しまれた構図です。写本装丁の意匠から発展し、サファヴィー朝期に絨毯の中心構図として広まったとされます。四隅にコーナー文様を添えた「メダリオン・コーナー」が代表的な形です。

ヘラティ(マヒ)

小さな魚を思わせる形が連続する、上品な総柄文様です。「マヒ」はペルシャ語で魚を意味します。家庭の平和と幸福を象徴するとされ、タブリーズやビジャーなどで好んで織られます。

ボテ(ペイズリー)

先端がくるりと曲がった勾玉形のモチーフで、英語ではペイズリーと呼ばれます。一面に敷き詰めたり、ボーダーに連ねたりと用い方はさまざま。起源にはイラン説・カシミール説など諸説あり、ここでは断定しません。上向きにとがる糸杉とは別の文様です。

ゴル(ギュル)

八角形や楕円、角張った菱形など、部族や型ごとに固有の形を持つ紋章的なモチーフで、トルクメン系の絨毯に多く見られます。部族のしるしとして織り継がれてきたとされます。力強い赤地に映える、幾何学的な味わいが魅力です。当店のパキスタン絨毯に多い「ジャルダール」は、菱形のギュルを整然と並べたデザインです。

ボハラ柄

楕円形のギュルを整然と並べたデザインの通称で、パキスタン絨毯で広く織られています。トルクメン系のギュルに由来し、中央アジアの都市ブハラの名を取っていますが、産地ではなく柄の呼び名です。菱形のギュルを並べる「ジャルダール」とは形で見分けられます。

生命の樹/糸杉

枝葉を豊かに茂らせた樹木を描く文様で、生命・豊穣・長寿といった願いが込められます。すらりと上向きにとがる糸杉も生命の樹の一種として表され、勾玉形のボテとは姿が異なります。

ボーダー(縁取り)

フィールド(中地)を囲む帯状の枠で、絨毯全体を引き締める役割を担います。太い主ボーダーと細い副ボーダーを組み合わせるのが一般的です。

絨毯は、実際に見て・触れて・お部屋に合わせて選ぶのがいちばんです。横浜元町の店舗では、ここでご紹介した産地・種類の一枚一枚を、スタッフがお部屋のイメージに合わせてご案内しています。

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